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2018年5月 7日 (月)

この国の変質について

作家 古川薫さんが亡くなった。
 
「明治維新150年にあたる18年、新年にあたっての朝日新聞への寄稿では、維新や第2次世界大戦で多くの若者が死地に追いやられたと指摘。
 
「またもや大勢の若者が青春を奪われんとする現実が、すぐにも現れそうな日々の情景を前に、ただ賑(にぎ)やかな記念の祭りとするのではあまりにも悔しい」と語りかけた。」(「直木賞作家の古川薫さん死去 「漂泊者のアリア」」より抜粋)
2018年5月5日20時18分
https://www.asahi.com/articles/ASL5556B2L55TIPE00W.html
 
広い視野でこの国の変質を嘆いている。
 
20年前、私が東京に来たときは、街ですれ違ってぶつかりそうになるとお互いに軽く会釈をして「失礼しました」という気持ちを表現していた。
 
今はぶつかっても何も言わない。
 
ある方から「もし、この世に、釈迦やキリストやマホメット様がこの現代にいたなら、昔、彼らが説いたような、“悟り”を開く事ができるだろうか?」という感想を伺った。
 
街中にストレスの多いことに気づいての感想です。
 
そのことを思いながら、夕方帰路の電車内に立っていると、周囲に確かにストレスの塊があった。
 
右側の若い女性は雨に濡れた傘を右腕にかけて、両手でスマホを操作している。
傘の先には雨のしずくがついている。
電車の揺れで座っている男性の膝頭に傘の先が触れそうになる。
私のほうが「あっ」と思う次第。
 
当の本人は気づかないまま。
やがて手を動かしたようで傘の先は女性の右側に立つ青年の左足にはっきりと押し付けられた。少しは濡れるだろうが、彼氏ならば許されるけど、そうかどうは私にはわからない。
 
他方、私の左側には肩にカバンをかけた青年が立っている。
カバンの表面には円錘形の小さな銀色の金属風の突起が沢山ついている。
 
電車に乗るとき私の胸にゴツゴツと当たったのはあの金属だったのだ・・・。
相手の体やカバンを傷つけるけど、自分のカバンは傷つかない。
 
くしゃみや咳をする若者は男女にかかわらず、ほとんどが手を口に当てずに傍若無人にツバキをまき散らす。
 
こういう社会にもし釈迦がいたら、何をするだうか?
 
家内にその話をすると、「現代風にSNSを利用して説法を広めるのでは?」との回答。
 
なるほど、タンタンと今風に布教活動をするのだろう。
キリストとて、マホメットとて、同じことなのだ、と私は思った。
 
非暴力のガンジーは暴力渦巻く世界の中で、たった一人非暴力を貫いた。
やはり賢人は、外部環境の影響を受けないのではないだろうか?
 
普遍的な真実のみを実践する。
ただそれだけなのだろう。
 
普遍性のある主張、それは時や空間の支配を受けないのである。
 
凡人はなかなかそれを見出すことはできない。
だから、様々なものから容易に影響を受けてしまう。
 
『またもや大勢の若者が青春を奪われんとする現実が、すぐにも現れそうな日々の情景』を私も目にしながら、どこかしらよそ事のような気分でいた。
 
古川薫さんは、その情景を見て悔しがることができている。
彼もまた、賢人であったのだろう。
 
彼の著作から私は長州藩士世良修蔵の実像に迫りたいと考えている。
 
この人は長州人(下関出身)であり、多くの明治維新に関する書物を残してくれている。
 
奥州鎮撫使参謀として仙台へ向かった世良は、極悪非道の長州人モデルとされて会津戦争勃発の発火点となった。
 
戦後、長州人木戸孝允は世良の墓を訪ねて謝罪と思われる言葉を残したと記憶している。品川弥次郎が参謀を辞任して世良が派遣された背景に真実が隠されているはずである。外国の介入を私はほのかに感じている。
 
欧米は現代でも他国の不安定にあからさまに介入を続けている。
アルコール中毒と同じで、自力更生、自力回復は望めないのではないか?
 
賢人、古川薫氏のご冥福をお祈りします。

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